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近況報告

10月から南山城村の空き家バンクがスタートし、日常業務と並行しながらアドバイザーとして役場の方々と日々一緒に仕事をさせてもらっています。空き家の物件調査から所有者との面談、移住希望者とのマッチング等、やることは沢山あり、現状では主に賃貸物件を中心に日々作業を進めています。

 

この仕事の目的は南山城村への定住者を増やすという事なので、別荘として使う方よりも定住される方に優先して物件をご紹介しています。

現状ではリフォームの必要な物件も多いのですが、定住者の負担を減らし入居につなげたいという思いから、多大に補修が必要なものは出来るだけ家賃を安く設定しています。

空き家の所有者の方もリフォームしてまで貸すつもりは無く、格安で貸すかわりに管理とリフォームを借主で負担してもらうという形です。

雨漏りがひどい等修復できない物件はお断りしているので、リフォームといっても躯体等の基本構造には問題が無く、汲み取りトイレや土間でも良ければ、中にはそのままで使える物件もあります。

 

ただ、その安い家賃であるが故の問題点も出てきています。

 

全国を放浪しながら生活し、安い家賃だけが目的で問い合わせをしてこられる方も中にはおられ、地域での近所づきあいのようなものは一切やりたくないという考えの方からの問い合わせもあったりします。

基本的に田舎では地域行事(草刈や溝掃除)等があります。紹介する側としては、村内の所有者の方々の大切な家を活用させてもらうので、定住される場合は出来るだけ地域の行事等にも参加していただきたいと思っています。それを最初から拒否されると今後のお付き合いも心配になってしまうのが正直な気持ちです。

田舎なら生活費を安く済ませることが出来て、自分の思い通りに暮らしていけるような幻想を言われます。たしかに野菜等頂いたりすることもよくありますが、それはご近所の方々と仲良くお付き合いしている場合で、自分の好き勝手やっている人には誰も近づいてくれません。

日々の生活費は都会に比べれば安く賄えるかもしれませんが、冬の灯油代や家族がそれぞれ車を使う場合のガソリン代など、田舎特有の支出もあります。

 

ご紹介する側として最初にある程度厳しいことを説明するのは、移住される方の理想と現実が違っていたという事にならないようにとの配慮からでもあります。

 

この事業の目的は地域を担っていただける方々に移住してきてもらう事なので、誰でも良いというわけではありません。ビジネスオンリーで貸し借りが成立すれば後は各々でやって下さいという訳に行かないのが難しいところです。

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