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耕作放棄地の売買

耕作放棄地売却の相談があった時の話です。

まず大原則として耕作放棄地でも農地を売買する場合は地元農業委員会から農地法の許可を得る必要があります。その許可申請方法はざっくり大まかに、農地をの農地のまま農業従事者に売却する3条申請、所有者が農地以外に地目を変えてしまう4条申請、購入者が農地以外に地目と所有権を変更する5条申請と3つあります。
4条申請、5条申請の場合は農地を転用する目的が認められ、かつ隣接農地所有者、区長、水利組合長の同意が必要です。

今回の相談農地は耕作放棄されてから30年以上経っており、自生した木々が生えて農地として使うには正直大変な農地でした。

しかも農道をだいぶ入った奥にあり、周辺も耕作放棄地ばかりで駐車場等にする転用目的も立たないため、農地として使うことができないのに農地として売却するしか方法がない土地でした。

そこでまず現状では農地として使えないため自生している木々を伐採し、農地として使える状態に原状回復する必要があります。ここで費用の問題が出てきます。伐採費と処分費は農地の価格の3倍以上かかり、土地がただでも所有してもらえる方を探すのが難しいのです。

地元の農家さんが家の財産として土地を所有しておきたいとの話がたまにあったりするのですが、耕作放棄地の場合は費用と農地法に阻まれてなかなか話が前に進みません。

今回もハードルは高そうです。

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