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弘法の井戸

京都府の宇治田原町の高尾(こうの)地区にある弘法の井戸という山の上にある湧水です。

 

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こんなお話しが伝わっています。

 

その昔、高尾(こうの)のある農家に立ち寄り水を所望した僧がありました。留守番の老婆は快く返事をしましたが、なかなか水を運んで来てくれないため、旅僧は縁側でうとうとと寝てしまいました。老婆はずいぶんたってから水を運んで勧めましたが、僧は老婆に村の水場はどこかと尋ねると、老婆は村には谷川もないので下の田原川で汲んでくるのだと答えたため、僧は老婆の親切に深く感激しました。
僧は老婆と世間話をしたのち厚くお礼を述べて立ち上がり、家の前の広場の片隅に錫杖で円を描き、ここを掘って村の井戸にするようにと言い残して山を降りました。仕事から帰って来た爺や息子は、老婆の熱心さにほだされて掘ってみると、水は湧かないと思いあきらめていたのにきれいな水が湧き出し、村人たちは喜びと驚きとで大騒ぎとなりました。
後に村人はこの旅の僧が弘法大師であったことを知り、この井戸を「弘法の井戸」と呼ぶようになったと伝えられています。

 

土日などは大阪や京都市内からも水を汲みに来られる方がたくさんおられるそうですが、平日の夕方は山の上まで水を汲みに来ている人は誰もいませんでした。
 

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