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柱の根継ぎ
2018.05.15
今、昨年ご縁あったお客様と古民家の再生工事に携わっています。この古民家は檜の太い柱や松の大きな梁等、立派な木材がふんだんに使われた大和棟の大変貴重なものですが、築年数ゆえの傷みもあり、伝統構法に熟知した専門技術を持った工務店とお客様と一緒に綿密な再生計画を立てながら進めています。
柱等主要躯体だけを残し、床板から下を全て解体し、まずは傷んでいる箇所の補修補強から
基礎は土のままなので、柱の根元と束石とが接している部分が長年の湿気でどうしても傷みやすくなります。
そこで根継ぎと呼ばれる方法で、傷んだ箇所を新しい木材と交換していきます。写真の継手は金輪継ぎといわれるもので、継ぎ合わせる両方の木材にT字型の目違いを付けて組み合わせ、込栓をして固定するものです。
木材や使われている場所によってさまざまな継ぎ方があるのですが、金輪継ぎは伝統的継ぎ手の中でも強固なものの一つで、あらゆる方向から強度が得られるので柱や梁、桁をつなぐのに用いられます。