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空家問題

全国で空家が増加して問題になっています。国も空家等対策の推進に関する特別措置法を施行し、本格的な対策に取り組み始めています。空家に対しての固定資産税の優遇を止め、老朽化して危険な空家には行政が解体などを強制執行できるようにするなど、主に空家の処分を促すための制度になっています。

 

確かに空家の所有者にも処分を考えるきっかけになり、問題解消に繋がっていきそうなものですが、実務に携わる者からはもっと別にも問題があると思っています。

 

その一つに空家を買う人、つまり買主側の資金の問題です。

 

買主側が空家を現金で購入する場合は問題ありません。が、住宅ローンを希望する場合はハードルが高くなります。基本的に銀行は田舎の古民家等の築年数が古い物件には融資したがりません。酷い場合は住宅ローンを申し込んでも所在地を聞いて営業エリア外ですと、門前払いされるケースもあります。

 

どれだけ立派で価値のある古民家でも、土地の評価額の低い田舎で築年数の古い木造住宅の場合、物件の担保評価が低く住宅ローンを組みにくいのです。

 

もちろん銀行がローン申込者の属性を判断して良ければある程度は可能ですが、それでも一般新築住宅に比べると提出する書類も増えてハードルも高くなります。

 

買主側の資金の問題を解消できるような、もっと柔軟に住宅ローンを取り扱ってくれる金融機関が増えてくれば、若年層にも取得しやすくなり、空家の流通が促されると思うのですが。

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